ロッカールーム・ヤグヤグ






入ってくださいと言わんばかりにそれがそこにあったから。
悪戯心が芽生えたオイラはもぞもぞと中に滑り込み
息をひそめて誰かが来るのをワクワクしながら待っていた。
驚かせることができれば誰だっていい。この狭い空間も不思議と落ち着いた。

「ちょっ…え?ほんとに…」
「いいからいいから」

最初のほうの声は聞き取りにくくて誰だかわからなかったけど
後から入ってきた人物は紛れもなくよっすぃ〜だとわかった。
ロッカーのほんの少しの隙間から見える背の高い金髪頭はよっすぃ〜以外にありえない。
しめしめとほくそ笑む。

「だ…だめっ…んっ…」
「敏感だね…」
「あんっ…えっちなんだからっ…」

怪しげな会話というか声が聞こえてきて飛び出そうとしていたオイラの足が止まる。
もしかしてまさかそんなありえないばかなことが起きてるのか。

『呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!ヤグヤグだぞぉ!(ウインク)』

なんて台詞まで考えて振りつけや表情まで頭の中でリハーサルしていたのに。
なんなんだよっ!オイラの計画が台無しじゃないか。
ああなってこうなって、エッヘン!びっくりした?なんて舌を出して
『あーびっくりした。でも矢口さんかわいい〜』とかなるはずだったのに全部丸つぶれだ。
逆にこいつらに驚かされるなんて。
それはともかくオイラには新たな使命ができた。

「やあぁぁぁ…」
「少し静かにね」

これみよがしにチュッチュッチュッチュッ音立てといてなーにが『静かにね』だ。
まったくなにやってんだコイツらはこんなとこで。
いつ誰が入ってくるかわからないし誰かがどこかに隠れてる可能性とかも考えろってんだ。
リーダーとしてガツンと言って懲らしめてやらなくなちゃな。
でも始まっちゃったものを途中で止めるのは気の毒だから最後まで待ってやるか。
リーダーは厳しいだけじゃダメだからな。

「あんっあんっあんっ」
「シーッ。ほら声高いよ」

で、よっすぃ〜の相手は誰なんだよ。喘ぎ声じゃわかんないっつの。
コイツらまともな会話もなしにいきなりエッチかよ。
とんでもないやつらだ。絶対常習だぞ。
見つけたのがオイラだからいいようなものの
もし6期(ミキティ除く)の無垢な子供たちだったら教育的指導だけじゃ済まされない。
思春期の多感な時期にそんなもの見せるわけにはいかないからな、うん。
やっぱりオイラでよかった。大人だから最後まで見ても問題ないしな。

「もっと足あげて…」
「あぁぁぁ…はんっ…これ以上、ムリ…」
「いいよ…十分だよ…すごいね…」

オイオイちょっと待てよ。見たことないぞ、そんな態勢。
関節とかどうなってんだよ。コイツらなんでこんなアクロバティックなんだ。
うわっ!ちょ、マジで?えっ?そんな風になって…そうくるの?!
そこってあれだよね…?えぇぇ!あれは…よっすぃ〜の足?うわぁ…。
ん?じゃあ絡まってるあれは向こうからこうなって…うわっ…すご…あれは相当奥まで……。

「はっはんっんんーいい、いやぁぁぁぁーっ!!」
「じゅるじゅるじゅる…ゴクンっ」

…………人間って、いざとなったらあそこまで曲がるんだな。
快楽のためならなんだって可能なんだ。オイラ新境地が開いた気分だ。
こんな2人といつも仕事をしていたなんて………。
また何食わぬ顔でコイツらは収録に戻ったり歌ったりするんだよな。
プロだ。ある意味プロフェッショナルの鏡だ。
オイラをここまで感心させるなんて随分と成長したんだな、よっすぃ〜。

「それじゃまたあとでね」
「ほいほーい」

チッ。戻るなら一緒に戻れよ。なんでよっすぃ〜ひとりで残ってんだ。
オイラだっていい加減この狭いスペースの中が熱くて外に出たくてたまらないんだぞ。
なんていうか体の内側から熱がこみ上げてるんだからな。
なんともいえない妙な気分なんだからな。
どうしてくれるんだよ。全部オマエらのせいだぞ。

「さて、と…次は矢口さんの番ですよ?」

え…知ってたの?なんで?どうして?いつから?

「ほら。来てください」

えーと…オイラY字開脚できないけどそれでもオーケー?










<了>


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