酔いどれIndonesia






「どうしたものかね」
「どうもこうもないでしょ」

あまりお目にかかったことのない異国の料理が並ぶ席上。
パクパクと目の前の食べ物を口に運ぶ美貴の隣であたしは薄ら笑いを浮かべていた。
信じたくない現実をむりやり実感させられて、笑うしかなかったのだ。

たしかにどうもうこうもないけどさ。どうにかしたかったわけよ、あたしは。

「おめでとう〜。まさか亜弥が国際結婚するなんてね〜」
「旦那さん日本語ペラペラなんだ、すごーい」
「学者さんだっけ。なんかよくわからないけど偉い賞とったんだって?」

けっ!なーにが学者だ。あたしだって日本語ペラペラだっつの。

「結婚したらインドネシアに住むの?え?アメリカ?すごーい。いいなぁ〜」
「ふーん。大学の先生かぁ。亜弥の英語力でダイジョウブ〜?あはは、ウソウソごめん」
「でも急だったよね。出会って3ヶ月?それで決めたの?すごーい」

すごいしか言うことないのかよ、おまえら。
あたしだって出会って3秒で恋に落ちたんだぞ。どうだ!すごいだろ!!

「よっちゃん」
「………」
「よっちゃんってば」
「あんだよっ」
「目、怖いよ」
「だって」
「せっかく会費払ってんだから食べなよ。見た目フシギだけどけっこうイケるよ」
「んなもん食える気分じゃない」
「もう負けは決定なんだから。相手を"食べる"つもりで、ほら」

差し出された皿にはなんだかわけのわからない色の食べ物が乗っていた。
これホントに食べ物なのか?あたしたち騙されてない?

「ほら」
「うぅ…」
「女ならいけって。食べて忘れなって」

肉が得意ではないあたしのために美貴がサラダらしきものを選り分けてくれた。
皿の上に乗った野菜たちはあたしに食べられる準備が万端で、よく見ると綺麗な色をしている。

「食べて、忘れな」

やけに滑舌のいい美貴の言葉に後押しされて、おそるおそる口に入れる。
噛んで、舌で味わって、飲み込むまで美貴はあたしを見ていた。
あたしの短くも儚い恋をずっと見てきたその目で。

「うぅ…くそ」

野菜に罪はない。インドネシア料理にも。
悔しいことにサラダはあたし好みで美味しかった。

「好きな人が幸せならそれでいいじゃん」
「あたしはそんなこと思えるほど度量のデカイ女でも大人でもない」
「今はそうかもしれないけどさ、いつかそう思える日が来るって」
「来るんですかねぇ…そんなカッコイイこと思える日が」
「来ると思いますよ?」
「ホントですか?」
「ホントですよ」
「なんで丁寧語なの」
「よっちゃんこそ」

ケラケラと笑って見たことのない銘柄のビールで喉を潤した。
美貴がいて良かった。こういう席で笑わせてくれる相手がいて。
メデタイ日にたとえ乾いた笑いでも笑顔を見せないのは申し訳ないから。

「あんなヤツに亜弥を幸せにできるのかよ」

祝福してる風な笑顔を装いながら、それでもやっぱり悔しいあたし。
ビールで滑らかになった舌に乗せて負け犬の遠吠えを吐く。わんわん。

「優しそうだし経済力もあるみたいだし、よほどのことがない限り大丈夫でしょ」

それにハンサムだしね、なんて余計な太鼓判を押す美貴。
優しさならあたしだって負けないのに。
それに同じ日本人だ!インドネシア人よりよっぽど話が合うのに。
経済力はちょっとアレだけど…でも、顔は絶対に勝ってるはずだ!

「べつに亜弥ちゃんは顔や経済力や国籍で選んだわけじゃないから」
「女もオッケーみたいだったからチャンスあると思ったのにな…」
「縁がなかったんだよ。それだけのこと」
「美貴って」
「なによ」
「なんつーか、こんなときでも正直っていうかわざとらしく慰めたりしないのな」
「………」
「そゆとこ、ちょっとラクで好きかも」
「………」
「褒めてんだからなんか言えよ」
「なんか」
「うわぁ…素直じゃねぇなぁ」

亜弥の相手を"食べる"つもりでムシャムシャとサラダを食べ続けた。
ここまできたら毒を食らわば、だ。
他の皿にも手をのばし、くんくん匂いを嗅いでから一口、さらに二口食べてみた。
ふむふむ。なかなかクセのある味だけど不味くはない。

「これ、なんか面白い味」
「面白いってなんだよ。どれ…ホントだ、面白い」
「見た目より辛くないね」
「こっちのやつ見た目とか関係なく甘いわ」

そこそこ腹にたまってきた頃、ちょっと強い酒でも飲もうかなと席を立った。
美貴の「ビール持ってきて」という声を背中で聞いて後ろ手に振る。

古いカウンターの中には(というか店全体が古い)外国人と思しきおねーさんがいた。
ちょっと躊躇いつつもアイツに負けてたまるかという意味のない対抗心から思い切って声をかける。

「あー、えーと、ジャパニーズスピーク、OK?」
「ふふ。大丈夫ですよ。日本人ですから」
「ふぇ?マジ?あ、すみません」
「いいですよー。よく間違われますから」
「やっぱり。だっててっきりあちらの方かと思いましたもん」

亜弥の隣で白い歯を見せて笑うアイツをちらりと見ておねーさんの方に向き直る。
それにしてもよく焼けてるなぁこの人。まさか店の雰囲気に合わせて焼いてるとか?

「地黒なんですけどね…この仕事始めてからなんだか余計に黒くなったような気がします」
「いや、それは関係ないでしょ」
「あ、やっぱり?」

思わずタメ口になったけどそんなありえない話つっこまずにいられようか。
美貴ならもう二言三言ひょっとしたら畳み掛けてるかもしれない。
案外ノリのいいおねーさんはシェーカーを振りながら笑ってくれた。
店のことや料理の感想なんかを少し話してたらちょっと楽しかった。
それにしても地黒だったのか…すごいな。

「何か飲みます?」
「あ、そうだった。えーとビールと…それからなんでもいいんだけど強い酒を」
「アルコール度数が高ければなんでもいいのかな?」

客とバーテンというよりは友達みたいに喋っていたのでそのノリが続く。
くるっと振り向いて亜弥を見た。可愛い。くそっ。
やっぱり"ここ"を飲むしかないな。

「インドネシアのお酒で強いやつをください」
「強いやつ」
「そう、強いやつを」
「うーん…どうしようかな」
「えぇ!いや、迷ってないで出そうよ」
「あはは。ごめんごめん、なんか顔が必死なんだもんキミ」
「ひでー。おねーさんにからかわれたぁ」

おねーさんはごめんごめんと言いつつも顔はしっかり笑っている。
そして後ろのずらっと並んだ棚の中から一本を選び出して栓を抜いた。
トクトクといい音がして茶色の液体がグラスに注がれる。

「これ強いの?」
「キミの言う強いがどれくらいを指してるのかわからないけど、まあまあ」
「もうこの際なんでもいいや。意地悪なバーテンから戴けるだけでありがたいですね」
「イヤミねぇ〜。はい、どーぞ」
「どーも。これなんて酒?」
「アラックよ。バリ産でけっこう貴重なの。意地悪しちゃったから特別サービス」
「そりゃどーも。あたしらっきー」
「ちょっとすごい棒読みじゃない?ホントに特別なんだからね」
「ふーん」
「それより早く戻らなくていいの?彼女、見てるよ」
「彼女?」

おねーさんの言葉に振り向くとこちらをじっと見つめる美貴と目が合った。
と思ったら途端に逸らされた。えー。
そして止まっていた右手が動いて美貴はまたパクパクと食べだしていた。

「彼女っつーか友達だから」
「ふーん。強いお酒が飲みたくなった原因は…じゃあ、あっちの彼女?」
「彼っていう選択肢はないわけ?」

おねーさんの目線の先にはたぶん亜弥がいるんだろう。その隣にはアイツが。
図星すぎて癪だったから振り向かなかった。

「たぶん彼女かなって。バーテンの勘!」
「こえー。いろんなこと喋らされる前にさっさと戻ろ」
「失礼しちゃう」

ビールとアラック、だったかな?を両手に持って席に帰った。
ドンっとテーブルの上にグラスと瓶を置くと思いのほか大きな音がした。
あたしの心にメラメラと湧きだした闘志が体にまで伝わったのか。

美貴は無言でビールをグビグビと飲みぷはぁ〜と息を吐いた。
その姿を横目で見て自分の顔の前にグラスを掲げる。

見てろよ!インドネシア!


◇ ◇ ◇


「ったく、ビール持ってくるのにどんだけ時間かかってんのよ」
「バーテンのおねーさんがけっこう面白い人でさぁ」

ものすごい勢いでビールを飲み干した美貴にまたビールを取りに行かされた。
それによりあたしの決意はあっさりと出鼻をくじかれた。
面倒だから5杯くらい一気に持っていこうとしておねーさんにまた笑われた。
なぜかあたしより酒が進んでる美貴の様子が気になってアラックはあまり減っていない。

「よっちゃんはいっつもそう。人なつっこすぎ」
「なんだそれ。犬みたいに言うな」
「初対面には強いくせにさぁ、友達付き合いは苦手っておかしいよね」
「苦手ってわけじゃないじゃん。そんなに得意じゃないって言ってよ」
「美貴はさぁ、社交的だし可愛いから友達いっぱいいるじゃん?」
「う、羨ましくなんてないからな」
「…あ、美貴のことは否定しないんだ」
「だって実際そうじゃん?美貴は社交的だし友達いっぱいいるし…それに可愛いし」
「可愛い、か…」
「美貴?」
「………」
「おーい」
「………」
「美貴ちゃーん」
「きぼぢわるい゛」
「へ?」
「はきそ…」
「うえぇぇぇ?!」

美貴が前のめりに倒れこんでテーブルの上に突っ伏した。
長くてクルクルの髪がまだ少し残っていた料理を隠すように皿の上に落ちる。

「あぁ〜髪が…ビールこぼれてるし!ちょ、美貴おきて!!」
「にゅ〜無理」
「にゅ〜じゃなくて!!」
「にょ〜」
「おまっフザケん」


「みきたん、大丈夫?」


2秒か3秒くらいだったかな、あたしが固まっていたのは。
美貴の両肩を掴んでテーブルから起こし、そしてティッシュで髪についたソースを拭いた。
うん、あたし意外に落ち着いてるかも。

「あたしが大丈夫じゃないよ〜。亜弥助けて〜」
「あはは。よっすぃがんばって」
「ちぇっ。コイツこんなんだからうちらそろそろ帰るね」
「えっもう?」
「うん。今日は本当におめでとう」
「ありがとう」
「アイツが嫌になったらいつでもあたしの胸に帰っておいで〜」
「ふふ。じゃあそのときはよろしくね、よっすぃ」
「おう」

あたし最高にカッコイイんじゃない?もしかして。
ソースまみれのティッシュの残骸を美貴の頭にぶつけてみたけど反応はない。
親友ならこの勇姿をちゃんと見届けろよな。肝心なときに潰れやがって。

「また大学でね」
「おう」
「来週ゼミで会えるよね」
「おう」
「今日はありがとう」
「おう」

早く行ってくれ。早く、あたしの傍から離れてアイツのところに。
あたしの勇姿はきっとウルトラマンの活躍時間ほども持たないよ。
ヤバイなぁ、ちょっと視界が滲んできたぞ。どうしよ、美貴。

「くっ…くっく…おう、しか言ってないよ……」
「笑ってないで。起きたならなんとかしてくれ」
「ここ出るくらいまでは頑張りなよ。それが済んだら本当に終わるから」
「……うん」

自分と美貴のバッグを左手に持ち右手は美貴の腰を支えて立ち上がる。
亜弥はニコニコしながらその様子を見守っていて、立ち去ってはくれなさそうだ。
頑張れ自分。グッと両手に力を入れたら美貴がピクっと体を震わせた。

「ここでいいから」
「外まで送るよ」
「いいよ。おまえ主役なんだからここにいろって」
「でも…」
「ホントにここで」
「そーお?」
「じゃ…」
「じゃあね〜。よっすぃありがとう〜。みきたんにも、起きたら言っといて〜」
「おう」

起きているはずなのに美貴はまだ酔いがまわっているのかあたしに体重を預けてきている。
腰にまわした手にさらに力を込めてフラフラする美貴を支えるように歩きだした。
一歩、二歩、確実に亜弥から遠ざかる。美貴と寄り添いながら出口に向かった。
亜弥はきっとまだあたしたちの背中を見ているんだろう。
ちゃんと出口まで見届けてからまたアイツのもとへ戻るんだろうな。

「がんばって…」

美貴が耳もとで囁いた。掠れた小さな声だったけどしっかりと聴こえた。
あたしは軽く頷き、バッグを持った手をドアに伸ばしかけて止まる。



言おうか。いや、無理だ。
どうしよう。どうもできない。
振り向いて、言えば。でもどんな顔で?




数秒迷って出したあたしの答えはドアを押して外に出ることだった。
暑くも寒くもなく、風もなかった。穏やかな夜。

いつのまにか支えられていたのはあたしのほうだった。
店を出て、途端に涙が溢れてきたあたしを美貴がずっと抱きしめてくれていた。





誰もいない公園のブランコに座ってゆらゆら揺れながらビールを飲んでいた。
美貴が買ってきたそれを受け取ってプルトップのプシュという音を聴いたのは約30分前。
あたしが泣き出して美貴が抱きしめてくれたのはたぶん1時間くらい前。
約30分間、あたしは泣いていたわけだ。そして抱きしめられていたわけだ。

「お疲れ」と言いながら缶をぶつけあって飲むビールはいつもどおり苦かった。
さっきまで飲んでいた異国のものとは違う、馴染みのある味。

「やっぱ国産だよな」
「だね」
「日本って最高だよな」
「だね」
「日本人にしとけよなー。てかあたしにしとけよなー」
「………」
「まあいいや。泣いて恋にバイバイしたらすっきりしたから」
「ホントにすっきりしたの?」
「や…嘘です。まだすっきり爽快とまではいってません」
「強がるなって」
「はい…」

かっこつけるわけじゃないけどさ、最後に言いたかったんだ。
"幸せに"って笑って言えてたら今頃すっきり爽快になってたのかな。

「よっちゃんにしては上出来だったんじゃない?」
「そうかな?」
「頑張ったと思うよ。ちゃんと最後まで笑顔だったし」
「うん…って見てたのかよ。なんだよ、酔っ払ってたんじゃないのかよ」
「酔っ払ってたけどよっちゃんの一大事だもん、起きるよ。見るよ」
「うえぇぇーん!美貴ちゃーん!!だいすきー」
「ちょっと、冗談でも抱きつかないで!」
「なんでよ。さっき抱きしめてくれてたじゃん、ずっと」
「それとこれとは話が別」
「わかんねー」
「わかんなくていいの」
「へい」
「うん、素直でよろしい」
「やっほーい」
「ばーか」

最後の言葉が言えなかったのはちょっと心残りだけど美貴と話してるうちに気分が晴れてきた。
また亜弥に会ったときいつかきっと言えるようになるかも、なんてことが思えるほどに。

すごいな、美貴は。いつもあたしを元気にしてくれる。
美貴がいなかったらあたしは今日どうにかなっていたかもしれない。

先に酔ってくれたからヤケ酒なんてみっともないこともしなくて済んだ。
頑張れって支えてくれたからみじめな気持ちにならずに笑って別れることができた。
あたしより小さいのに守るように抱きしめてくれたから寂しくなかった。

やっぱすごいよ、美貴。

「今日はとことん飲もうか」
「よっちゃんの失恋記念に?」
「そうそう、あたしの失恋を記念してカンパーイ…ってうぉい!ひでーな!」
「そこまで言ってないじゃん」
「いや、今そんな雰囲気だったろ。絶対」
「乾杯するなら亜弥ちゃんの結婚を祝してでしょー」
「それはまだ勘弁してください…」
「もうなんでもいいよ。飲もう飲もう」
「なんでもいいのかよ!ひっでなぁ〜美貴ちゃんは〜」
「美貴ヒドイ?」
「いえ、最高です」
「とーぜんっ!」

バシッと缶をぶつけあって夜の公園で乾杯するあたしたち。
無駄に高いテンションとアルコールの相乗効果で酔いが加速する。
バカ話やエロ話、ちょっとまだ切ない亜弥との思い出なんかを話しながら飲み続けた。
酔っ払い二人が広い広い日本のちっぽけな公園から遠い異国の地に思いを馳せる。

「あたし前々から思ってたんだけどさ、インドとインドネシアってどう違うの?」
「名前が違う」
「そーだけどぉ…場所とか、なんかあるだろ」
「美貴だって知らないもん。ていうか亜弥ちゃんが行くのはアメリカだから」
「そうだっけ?んー、どっちでもいいや。インドでもインドネシアでも…」
「だからアメリカだっつの」
「うーん、美貴ちゃん大変」
「なにがぁ?」
「ねむくなってきた…ふぁーあぁ」
「美貴もねむい〜」
「帰ろっか」
「ん」

ブランコから立ち上がって大あくびをひとつ。
ジャラっという鎖の音がして重い瞼を上げると美貴がフラついているのが見えた。
反射的に抱きとめる。髪からはソースの匂いがして案外美味しかった料理を思い出した。

「よっちゃん」
「んー」
「美貴ね」
「うん」
「今まで言えなかったけど」
「ん、なんだい?」
「よっちゃんが好きだよ」
「あたしも美貴が好きだよ」
「バカ。そういうんじゃなくて」
「え?マジで?」
「マジで」
「えーと………マジで?」
「マジでっつってんだろ!」
「いてぇ」

ソース臭い髪で頭突きとか威力ありすぎなんですけど…いてぇ。てかくせぇ。

「よっちゃん好きだよ」

ぎゅうぅと抱きしめられて息が詰まるようだった。
実際はそんなに力が入ってるとは思えないんだけど胸が、なんだか、ぎゅうぅと…
締めつけられたみたいで。苦しかった。

酔っ払ってるくせに真剣な目つきであたしを見る美貴。
上目遣いなのは仕方ない。身長差の産物だ。
さっき抱きしめられたときとは違うこの体温はアルコールのせい?
美貴に見つめられて心臓がバクバクしてるのは…なんでだ?

「バイバイしたばっかなのに……」

およそ2時間ほど前に別れを告げたばかりの恋心にこんにちは。
予想のつかない方向から表れたそれにまだ戸惑い気味のあたしだけれど。

「よっちゃぁ…」
「美貴?」
「す…き…」
「うわ。寝るか?普通」
「………」
「ソースくせー」
「………」
「おきろー!」
「ん…にゃ…ねむ…」
「ったく、しょーがねーな」

急にこみあげきたこのワクワク感に笑いがこらえきれない。
ずり落ちそうになる美貴をよいしょとおんぶしてしょーがねーなぁとまた言ってみる。
帰って、ソース臭い髪を洗い流してやるかな。

それから二人で亜弥に電話をしよう。夜中だけどきっと起きてるよな。
"幸せに"って今度は言える気がする。
特大のびっくりマークつきで、心からの祝福を送ってあげよう。

カッコイイあたしを美貴に見てもらうためにも。





  亜弥、幸せになれよ!
  あたしも今まさに幸せをつかみかけてるから!!










<了>


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