《 nightmare 》






《 nightmare 〜inside〜 》



あたしは暗闇の底にいた___

遠くから近づいてくる重苦しい音。
怪しい気配を感じ、辺りを見回す。
でも、何も見えない。けれど近づいてくる重低音・・・。
「誰か助けて・・・」叫ぼうにも声が出ない。
ついに真上にその音がやってきた。
潰される・・・でも動けない。
身体がいう事を聞いてくれない。

もうダメだ____
そう思った瞬間、暖かい感触に包まれていた・・・。



・・・っちゃん?
耳元で誰かがあたしの名前を呼んでる。

「・・・よっちゃん?大丈夫?」
気付いたら君の胸に抱かれていた・・・。
あぁ、また悪い夢見てたのか・・・。

『・・・怖かった・・・』胸に顔を埋め呟く。
そのあたたかさに安心する。

「また怖い夢見たんだね・・・?」
背中を撫でてギュッと抱き締めてくれた。
そのあたたかく柔らかな感触が現実に引き戻してくれた___



4月、あたしはハタチになった。
それと同時に新たな責任を負うことになった。
ハタチになったら、無責任な事ばかりするのは止めよう___
そう決めていたので、ちょうど良かったのかも知れない。

突然のことだったので皆も慌てていた。
周りを余計不安にさせてはいけない、
そんな気持ちから出来るだけ気丈に振舞っていた。
自分から動くことで不安も紛れるから・・・。

リーダーとキャプテン、両立できるのか?と思ったけど
いざとなると何とかなるもんだ。
下の子たちもなんとか付いてきてくれる。
さすがにキャプテンの時のようには怒れないけどね。
いつの間にか気持ちの切り替えが上手くなってる自分に気付く。
あたしって昔より強くなったんだな、と思っていた___

でも、毎晩のように悪夢にうなされる・・・。
暗闇で得体の知れないモノに潰されそうになる、いつもの夢___

けれど潰されそうになる寸前にいつも君が助けてくれる___
冷たい暗闇の底から、あたたかで居心地のいい場所へ連れ戻してくれる。



君が傍にいてくれる___
それだけで凄く心強い。



クールで、他人の事や勝負事には無関心な一匹狼だと思っていた。

でも、ホントの君は社交的な熱血漢___
常に人の輪の中でワイワイ騒いでいる。
君の”ツッコミ”は一見コワイし、的を射ていて一瞬凹む
けれど、決して険悪な感じにならず、パッと明るい雰囲気が流れる。
近頃の君の柔らかな雰囲気がそうさせるのかな?
実は周囲を和ませるムードメーカーなのかも知れない。

フットサルでも、あんなに熱い人だとは思ってもみなかったし・・・。

明るくて熱血で、あたたかい人だったんだね、君は___
だから、このあたたかさに包まれたくなる・・・。



「大丈夫だよ、よっちゃんは独りじゃない・・・美貴がいつも一緒だよ」
耳元で優しく囁いてくれた。
その声にすごく安心する。ん・・・また眠くなってきた___

今度は甘い夢が見れますように・・・。



目が覚めたら、あたしはまた前に進んでいく。

近い将来どうなっていくのか、
正直、これからも上手くやっていけるのか不安な気持ちもある。
けれど、なんとかなるだろう。
君が傍で見守っていてくれる限り。
それだけで強くなれるから。
重圧にも負けないチカラをもらえるから___

だから今はこのまま眠らせてくれる?
もう少し君のぬくもりに包まれていたいから・・・



『ホント、傍にいてくれて・・・アリガト・・・』
唇に柔らかな感触を感じながら・・・また眠りについた___





◇◇◇




《 nightmare 〜outside〜 》



「う・・・う〜ん・・・」

隣で眠っていたキミが急に苦しみだす。
眉間に皺を寄せ、苦しそうにもがきだす・・・。
いつもは強く頼もしいキミなのに、何かに怯えたように弱々しい。

今夜も悪い夢見ちゃってるのか___

「よっちゃん?・・・」揺り起こしてもまだもがいてるキミ。
そんなキミを優しく抱き抱える。

「・・・よっちゃん?大丈夫?」
まだ少しウェーブの残る頭を撫でながら胸に抱えこむ。

『・・・怖かった・・・』
正気に戻ったキミが胸の中で呟く。
そんなキミの背中は小さく震えていた・・・。

「また怖い夢見たんだね・・・?」
震えている背中を撫でてギュッと抱き締める。
キミの震えが止まり、安らかな息遣いになったのを感じた___



4月、キミはハタチになった。
同時に新たな責任を負うことになってしまった・・・。
それも突然のことでキミだけでなく皆が驚いた。

周りがアタフタしている間、キミは気丈に振舞っていた。
自分から動き、テキパキと周囲に指示を出し、フォローしていく。
パニクって固まってる下の子たちに
軽くジョークを言いながらもハッパをかけていく・・・。
ガッツリ怒るとあの子達はもっと固まってしまう、そう考えての事だろう。

そんなキミを見て、皆が一つにまとまっていくのを感じる___

リーダーとキャプテン、二つの責任を背負うことになってしまったキミ。
大丈夫か?とコチラが心配していたけど、無駄な心配だったようだ。
上手く気持ちを切り替えて、縦横無尽に動き回る。
キミはココロも身体もタフなんだろうな、と思っていた___

でも、夜になると毎晩のようにうなされている・・・。
日頃テンション上げて突っ走っている反動なのかな?

悪い夢の中からキミを助け出さないと・・・。
隣で眠りながらそんなことを考えている___



愛しいキミのチカラになってあげたい___
いつもそう思ってる。



バカでノーテンキで、お調子者の熱血漢だと思っていた。

でも、ホントのキミは思慮深い一匹狼___
楽屋でも常に独りで佇んでいる。
決して孤独と言うワケではなくて、あえて独りの時間を楽しんでる。
『こうしてる方が集中できるし、全部見渡せるから』
そう言っていつも外から周りの状況を把握してる。
誰かの不調やチームの異変に気付くといち早く声を掛けている。

けれど、自分がつらいって事は絶対顔に出さないんだから・・・

繊細で冷静で、シャイだったんだね、キミは___
だから、守ってあげたくなる・・・。



「大丈夫だよ、よっちゃんは独りじゃない・・・美貴がいつも一緒だよ」
胸の中のキミの耳元に囁く。
その声に安心したように、キミは安らかな寝息を立てる。

今度は甘い夢を見てくれるかな・・・?



目が覚めたキミは、また前へ進んでいく。
プレッシャーという見えない敵と戦い、それを味方にしながら・・・

近い将来どうなっていくのか、不安な気持ちもある。
けれど、なんとか上手くやっていける様な気がする。
キミが先頭に立って皆を引っ張って行ってくれる限り___

だから今はゆっくり休んで欲しい。
美貴がずっと傍にいるからね・・・

キミがつらい時や落ち込んだ時だって、いつでも一緒だよ___



『・・・傍にいて・・て・・アリガト・・・』むにゃむにゃと呟いてるキミ

寝言でもスゴク嬉しいんですけど・・・
そんなキミの無防備な寝顔にそっとキスを落とし、また眠りについた___











えぇと・・・ども、再び登場の寅です。続編って感じではないのですがまた書いてしまいました。悪い夢の『内側(inside)・[吉澤視点]』と『外側(outside)・[美貴視点]』2本立てです。これはヤグショック後、間もなくイメージが浮かんで書き始めたものです。(5月7日の石川さん卒業前には既に出来上がってました。)リーダーとキャプテン、その責務を両立することになった吉ですが、夜は疲れきって悪夢にうなされているのだろうか?とか、見えないところで重圧と戦っているのだろうか?そう想像したら、今後どちらにも共に関わっている美貴ちゃんさんを頼りにするのかな?と思い、こんな設定にしてみました。(もし最近書き上げていたとしたら別の設定になっていたかも・・・というのは内緒でw。い○よしとか○しよしとか・・・)両方の話をシンクロさせるのが難しかったですね。フレーズ(語呂)の合わせ具合とかは結構気を使いました。吉視点は比較的漢字〜ひらがな比率が多い点、美貴視点はカタカナ比率が多い点は実は意図的です。(完全ではなかったですが・・・)あと、美貴様の性格の所は吉限定ってことで・・・はい(ニガワラ 大丈夫なのだろうか?という心配から書き始めたこの話なのですが、リアル吉はそんな心配を吹き飛ばすくらい、違和感なくどちらも上手くこなしてきていますね。スゴい人だ。ぜひこれからも副キャプテン(!?)美貴ちゃんさんとガッタス&娘。を引っ張って行って欲しいものです。(2005/5/18)

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